最高裁判所第二小法廷 平成1(あ)655 判決
主 文
本件上告を棄却する。
理 由
弁護人新美隆の上告趣意のうち、憲法違反をいう点は、死刑を定めた刑法の規定
が憲法三六条に違反するものでないことは当裁判所の判例(最高裁昭和二二年(れ)
第一一九号同二三年三月一二日大法廷判決・刑集二巻三号一九一頁)とするところ
であるから、所論は理由がなく、その余は、事実誤認、単なる法令違反、量刑不当
の主張であり、被告人本人の上告趣意は、事実誤認、単なる法令違反、量刑不当の
主張であって、いずれも刑訴法四〇五条の上告理由に当たらない。
また、所論にかんがみ記録を調査しても、同法四一一条を適用すべきものとは認
められない(本件は、巨額の負債を抱えていた被告人が、(1) A及びBと共謀
の上、宝石貴金属商Cを欺いて、山中湖畔の空き別荘に誘い出した上、別荘内で同
人を絞殺して、現金約七二〇万円等を強取し、その後、死体を別荘の床下に埋めて
隠匿遺棄した、(2) その二週間後に、Aと共謀の上、融資話を口実に金融業者
Dを誘い出した上、前記別荘前で同女を絞殺して、現金二〇〇〇万円等を強取し、
その後、死体を右別荘の床下に埋めて隠匿遺棄した、(3) Aらが逮捕されたこ
とを知って、Eと共謀の上、C及びDの死体を山林に埋め替えて隠匿遺棄したとい
う事案である。犯行の動機に酌量の余地がなく、周到な計画の下において行われた
犯行の態様は残虐で、二名の生命を奪った結果は極めて重大であるところ、被告人
は各犯行において重要な役割を果たしており、これらの点に加えて、遺族の被害感
情、社会に与えた影響等にも徴すると、Bの巧妙な誘いを受けてCに対する犯行に
加わるに至ったこと、さしたる前科がないこと等被告人のために酌むべき一切の事
情を考慮しても、原判決が維持した第一審判決の死刑の科刑は、やむを得ないもの
として当裁判所もこれを是認せざるを得ない。)。
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よって、同法四一四条、三九六条により、裁判官全員一致の意見で、主文のとお
り判決する。
検察官東條伸一郎 公判出席
平成七年七月三日
最高裁判所第二小法廷
裁判長裁判官 大 西 勝 也
裁判官 中 島 敏 次 郎
裁判官 根 岸 重 治
裁判官 河 合 伸 一
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